あのとき、美しい狂女・お仙は、平和な山村で、夏は裸、冬もうすい浴衣一枚でいた。<br />そして彼女は、折紙の飛行機を飛ばして遊ぶ。<br />が、不思議にも飛行機は、いつまでも落ちることなく、飛んでいる……。<br />そんなお仙がひとりの男の子を産んだ。<br />その子に降りかかる運命は、生物との激烈な闘いと、セクシュアルな世界の彷徨……?そして今、僕は昔、お仙に出逢った村を探していた。<br />リリカルに綴られた‘叙情SF’の傑作。<br />