常軌を逸した強権の父と、身を飾ることを狂気じみて嫌悪する母。<br />一人娘の理加子は29歳になっても「不良になるから」と、髪をのばすことも、気ままに電話することも禁止されている。<br />そんな理加子の前に、仲のよい家族のもとで育った江木という男が現れ、強引に接近してくる。<br />理加子は初めて「男性とつきあう」ということに向かい合うが、毒親の呪縛が立ちはだかる……。<br />初版1992年、「毒親」という言葉がまだなかった時代に、毒親育ちの葛藤を描いた先駆けの小説。<br />
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