十四歳。<br />雨上がりの町で、ぼくは十八歳のセージと出会った。<br />セージは歌い、叫ぶ。<br />細胞のひとつひとつ、魂までも揺さぶる圧倒的な声で。<br />自分のために。<br />その彼が僕に向かって言った。<br />微笑を浮かべながら。<br />「なあ、弾いてくれよ」街に、旋律が流れ始めた――。<br />破滅的なカリスマ性をもつヴォーカルと独創的なギタリスト、日本中を席巻した伝説のロックバンドの誕生、成功、そして崩壊までの激しい軌跡を描いた傑作長編。<br />