ペルシャ猫を抱く女
早春の肌寒い黄昏時、五井は墓地の隅で泣いている一人の美しい娘に気がついた。
不審に思った彼がその娘に近づこうとした時、突然、低い、威嚇するような男の声が聞こえてきた。
木の間がくれにみえるその男は、白い袷のうえに墨染の衣をまとい、片足が不自然にまがっていた……。
古ぼけた一冊の書物が秘める事件の謎とは? 横溝文学の原点をたどる初期短編集第2弾! ペルシャ猫を抱く女/詰将棋/双生児は踊る/薔薇より薊へ/百面相芸人/泣虫小僧/建築家の死/を収録。
カバーイラスト/杉本一文
更新中です。しばらくお待ちください。