「サウダージ」、それは、失われたものを懐かしむ、さみしいせつない想い――。<br />日本人の父とインド人の母の血をひく裕一。<br />若いパキスタン人労働者シカンデル。<br />日系四世のルイーズ。<br />裕一の行きつけのバーの雇われママ、フィリピン人女性ミルナ。<br />それぞれが癒しがたい喪失感を抱きながら、東京に流れ着き、出会い、そして別れていく。<br />人々の胸に去来する、やるせない想いを描く傑作長編。<br />