ジャンゴ
哀しく、それでいて熱い旋律。
沢村がつま弾く音に、麗子が目を付けた。
麗子は沢村が世話になっているヤクザ者・山城の溺愛する妹だった。
麗子は美女の自殺志願者だった。
そして、麗子は悪魔だった――。
沢村はたった一度の麗子との快楽の代償として、ギタリストの命である指を失った。
そればかりか巨大な野獣にいたぶられ、人間としての尊厳をも失った。
すべては麗子の罠だった。
沢村を指の動かない天才ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトにするための……。
男女の、兄妹の、粘り付くような濃い愛憎を、物語を通して描き切った花村文学の真骨頂!
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