セルーナの女神
ある日、私の仕事部屋を二人の黒人が、わざわざアフリカから訪ねてきた。
彼らは私に、時間を支配する女神「セルーナ」の像をかえしてくれというのだ。
すべてが初耳で、何が何やらわからぬ私に、彼らはその気になるまで、いつまでも待っていると言って帰っていった。
ところがその直後、私の旧友がアフリカ旅行のみやげと言って、セルーナの女神像らしい木彫りの人形を持って現われたのだ――。
表題作ほか、日常生活の中に起こる奇妙な話を描く傑作短編八篇を収録。
カバーイラスト/杉本一文
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