12年前。<br />18歳で上京したぼくは、10歳年上の花菜子さんと出会った。<br />三つになる息子と二人住まいの彼女と、ぼくは少しのあいだだけ一緒に暮らしていた。<br />そんなある晩、花菜子さんは犬の首輪をつけて帰ってきた。<br />それはある男と他人のままつながっている証だった。<br />そして12年ぶりの再会。<br />ぼくと、花菜子さんは、他人のままつながることができるのか。<br />人を愛することの苦しみと悲しみを描いた、恋愛小説の傑作!