……人は、いちばん好きな人とは決して結ばれない。<br />私があの人との三年間で学んだ、ただひとつの真実だった。<br />そして私は、あの人への愛しさを抱えたままこの部屋を出て行く。<br />(「一月 積木の部屋」より) あきらめ、あこがれ、決断、後悔、救い、絶望……。<br />季節の彩りの中で、‘別れ’はさまざまな表情をみせる。<br />みずみずしい筆致でつづられる12篇の恋のかたち。<br />梅田みか、初の小説集。<br />