菜々美の従兄・稔は8年前、新聞記者として赴任したインドネシアの東ティモール独立紛争に巻き込まれ死亡した。<br />最後の便りはロロ・ジョングラン寺院の写真だった。<br />週刊誌記者となった菜々美は、インドネシア・中部ジャワ地震の現地取材で、NGOボランティアや国際開発コンサルタントの日本人と出会い、国際協力の裏側を知る。<br />稔の死に芽生えたある疑念とは。<br />国際援助のあるべき姿を問う、第1回城山三郎経済小説大賞受賞作。<br />