イグナシオ
神父や修導士の厳しい監督のもと、社会から完全に隔離した集団生活――修道院とは名ばかりの教護施設で、混血児イグナシオは友人を事故に見せかけて殺害した。
修道女・文子は偶然現場を目撃するが、沈黙することを約束する。
‘人を裁けるのは、神だけです。
’静謐に言い放つ文子にイグナシオは強く女性を意識し、施設を脱走する最後の晩、初めて文子と結ばれる。
そして、己の居場所を探して彷徨い新宿歌舞伎町で新たな生活を始めるが……。
芥川賞受賞作と対をなす記念碑的名作。
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