原子力船「むつ」は佐世保での修理を終え、新母港の下北半島関根浜へ向った。<br />八丈島近くに大型台風が接近してはいたが、航海は順調だった。<br />だが、(新潟沖100キロを航行中、全員元気)の無線を最後に、「むつ」は消息を絶った―――。<br />やがて、尖閣湾沖で大量の魚の死骸が発見され、近海が放射能に汚染されていることが判明する…。<br />事件の意外な真相を追って、日本海からアラブ海へ展開する壮大なサスペンス推理。<br />