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咬ませ犬

名犬の流れを汲む土佐闘犬・羽黒、関東地区の横綱犬であった。
飼い主は東京の鉄工所社長。
闘犬の一生は短い。
社長は羽黒が全盛の峠を越したと判断、興行会社社長に売り飛ばす。
ここから羽黒の流転が始まった。
次々に変わる飼い主。
あげくは「咬ませ犬」にさせられた。
若い闘犬に自信を持たせるための咬まれ役。
羽黒の意地がそれを許さない。
若犬には負けない。
飼い主たちの暴力と劣悪な環境。
元闘犬のたどる過酷な道、心温まるハッピーエンドが待っている。
「高安犬物語」で第32回直木賞を受賞、動物文学という新領域を開拓した著者の傑作。
ほかに「忠犬像紳士録」「仔犬」「山犬塚」「猪犬物語」。




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