ブティック勤めの福美は、プロのレーサーを目指す恋人邦彦のためになんとしても1000万円を工面したい。<br />とらの子の70万円を株投資、高級化粧品のネズミ講販売等々とその手段はエスカレートし、ついに若い自分の「体」をも商品にしてしまう。<br />二人の大きな「夢」を賭けて思いつめた献身が、二人の愛と信頼を崩していくのだった――。<br />若さ、金、権力がちょっとした仕掛けで簡単に手を結ぶ「現代」の様相と仕組みを映し出した、出色の恋愛長編小説。<br />