恋人の七海と別れ、山崎隆二は途方に暮れていた。<br />成人雑誌の編集部も辞め、校正者として無為に過ごす毎日。<br />そんななか、七海の友人で行方不明になっていた風俗嬢の可奈を見たという噂を聞き、山崎は鶯谷へ向かう。<br />彼女には会えなかったが、やがて「助けに来て」とすがりつく電話がかかってきた。<br />山崎は囚われの身となっている可奈を救うため、海を渡った……。<br />透明感あふれる文体で感情の揺れを繊細に綴った、至高の恋愛小説。<br />