小説執筆のためパリのホテルに滞在していた作家・植村は、なかなか筆の進まない作品を前にはがゆい日々を送っていた。<br />しかし、そこに突然訪れた奇跡が彼の感情を昂ぶらせる。<br />透き通るような青空の下で、恋が動き出そうとしていた。<br />ポケットに忍ばせたロックンロールという小さな石ころのように、ただ転がり続ければいい。<br />作家は突き動かされるように作品に没頭していく――。<br />欧州の地で展開される切なくも清々しい恋の物語。<br />