昭和62年、安アパートの自室でゴミの山に埋もれて孤高の死を遂げた作家森茉莉。<br />父森鴎外に溺愛された贅沢な少女時代。<br />結婚、渡仏、離婚などを経て自立。<br />54歳で作家となり、独得の耽美な小説世界を発表した後半生の貧乏ぐらし――。<br />「精神の贅沢」を希求し続けた84年の生涯の頑なで豊かな生き方を、人気作家群ようこが憧れとため息をもってたどっていく全く新しいタイプの人物エッセイ。<br />