公爵・西の丸秀彦の娘・氷見子は、父と来訪者の会話の秘密の記録係であり、青年将校の水面下の動きを知る。<br />その決起に加わる兄・義人、義人に思いを寄せる陸軍大臣の娘・節子、節子と人知れぬ関係をもつ父・秀彦。<br />各人とも自分が正しいと信じて行動するが、理念を掲げた大事件も彼女から見てみると…。<br />17歳の少女の手記という設定で、2・26事件にからまる人間像を鋭くあばいてみせた名作。<br />