砂場の少年
放送局のディレクターを辞した葛原順は、三五歳にして初めて臨時採用の中学の先生になった。
受け持ったクラスは、一筋縄ではいかない生徒たちが談論風発。
陳腐な価値観の押しつけ、型通りの授業などは即刻一刀両断に。
周囲の教師は、「札付きですから厳しく締め付けないと…」と繰り返すばかり。
あらかじめ生徒を偏見でみることだけはしないという信条を頼りに、葛原は素顔の生徒に向き合う。
だが、丸刈りに反対して学校に通わない少年、一切口をきかない少女、そして神経症の闇に沈む妻透子の存在が、葛原に大きな問いを投げかけていく。
子供から学ぶことの大きな可能性を伝える感動の小説。
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