東京を騒がせる怪事件の影で、知略によって警視庁を出し抜いてきた元江戸南町奉行の一派。<br />業を煮やした大警視・川路はとうとう直接対決に踏み切る。<br />同じ頃各地では、反政府派の叛乱により不穏な空気が漂っていた。<br />そんな中ついに西郷蜂起す、との報が入る。<br />その裏に隠されていた大からくりとは? そして近代化を巡る争いの帰趨とは…。<br />華やかな明治に潜む闇の中を流浪するものたち。<br />その哀切を描く、山風明治群像劇の一大傑作。<br />