明治38年、浪漫主義華やかなりし頃、一人の天才詩人が颯爽と詩壇に登場した。<br />熱烈な賞賛をあびた詩集『あこがれ』、作者は岩手県渋民村の青年・石川啄木。<br />青春の歓喜や孤独を歌った二十歳の若者は、しかし故郷を追われ、終わりなき漂泊の旅に出る……。<br />その『あこがれ』から、傑作の誉れ高い晩年の詩稿ノート『呼子と口笛』まで、生涯にわたる数々の詩の中から精選した、啄木詩集の決定版。<br />