銀の糸
少女のころ、私たちは赤い糸にあこがれていた。
生まれながらに、目には見えない赤い糸で結ばれたひとにいつか出会い、恋をして、幸せに暮らし、死ぬまで離れることはない。
大人になって、いくつかの恋を経験して、赤い糸はないって気づいたけれど、でも、銀の糸はあるのかもしれない。
人生の大きな流れの中で、自分で選んだ相手と意志的に結ぶ、それが銀の糸――。
だれかとつながりたい気持ちをすくいとる、珠玉の恋愛小説集。
表題作ほか「しゃぼん」「セカンドハウス」「銀の糸」「遊園地」「メトロノーム」を収録。
※本書は文庫版『銀の糸』を改題し、単行本刊行時のタイトル『祝福』とした作品です。
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