米軍士官の死体処理に従事させられた日本人医師とその家族、港湾労働者、日共党員、朝鮮人グループ等を配して、日本の「戦後」に突き刺さるとげとしての朝鮮戦争を、「戦後」の血の滲み、したたりにおいて描く。<br />前衛的手法を駆使して多面的に展開して、著者の作品の一つの系列の頂点にたつ代表的な秀作である。<br />