美術史家としてすぐれた才能をもちながら、学閥から追放され敗残の生活を送る宅田老人。<br />贋画の天才酒匂鳳岳の発見によって開始される学閥への復讐は、まず、鳳岳の描いた「秋山束薪図」が、未発見の浦上玉堂の作と評価されて成功するかにみえたが…。<br />表題作ほか「上申書」「剥袋」「愛と空白の共謀」「装飾評伝」を収める。<br />