タイガースのジュリーや竹の子族、大正時代の竹久夢二、制服姿の海軍兵学校生や弾圧下のキリシタン等々。<br /> 時代の「アイドル」に寄せる、「ミーハー心」は、いつの世も変わらない。<br /> 一途に思いつめて、入れ上げて、禁じられれば一層、燃え上ってしまう。<br />憧れと嫉妬、そしてやがておとずれる喪失感を、日本のアイドルの系譜とともに、やさしい共感をもって描いていく。<br />究極のミーハーを自認する著者ならではの、オリジナリティゆたかな愛すべき小説集。<br />