晩春の夜更け、聖ミカエル病院に瀕死の女性が担ぎこまれた。<br />女はかつて病院で看護師を務めていた森弓子で、昇汞を呑んでしまったという。<br />千明医学士は手当てを始めるが、弓子の肢体に数条のみみず腫れを発見する。<br />直後、弓子の夫が同じく昇汞を呑んで自殺。<br />夫婦に何が起こったのか? 刻一刻と弓子の様態が悪化する中、驚愕の真相が明らかになる……。<br />(「虚像淫楽」)探偵作家クラブ賞受賞の表題作を含む初期ミステリー傑作選!