中国の一名画にまつわる伝説に取材、夢幻的芸術美の世界を描いた「秋山図」、文豪トルストイの強烈な個性をツルゲネフとの交遊の中に浮き彫りした「山鴫」、『今昔物語』に依拠して真理の絶対性への懐疑を卓抜な技巧的構成で提示した「藪の中」、神格化された一将軍の虚飾を剥ぐ「将軍」等、テーマ、スタイルに多彩を示す大正10年作品を収録。<br />