能の名門藤代流の若き後継者・篠芙。<br />神懸かった舞の才能と、たぐい稀なる美貌を持つ彼は、稚い頃より、観月の四長老にその身を捧げ、一度廃絶した藤代流を復興させるための贄となってきた。<br />だが、藤代は異母弟の明煌が襲ぐことになり、篠芙の運命は大きく変わってゆく。<br />男たちに弄ばれ、支配されてきた篠芙が、華麗なる舞の裡に秘めた想いとは――。<br />狂おしい官能の美を描いた至極の愛の物語。<br />