見た・揺れた・笑われた
焼跡の街を空腹を抱えて徘徊しながら、青春の惨苦と荒涼にひしがれ、人生の醜悪の果てを見たい熱望にかられた日々。
廃墟の青いミミズにも似た主人公の‘修業時代’を描く佳作「見た」。
近郊農村の小屋での年上の女詩人との同棲生活。
19歳の父となった体験を語って奇妙に感動的な「笑われた」。
破天荒で余裕綽々。
饒舌体と称されながら、知性がきらめき詩が横溢する独得のスタイルの、私小説パロディ。
現代文学の金字塔「夏の闇」に至る著者の出発と模索を示した短篇シリーズ。
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