大宰府に流された菅原道真が亡くなって五年後の延喜八年(九〇八年)。<br />志摩の国、賢島に禍々しき巨船が迷い込む。<br />その翌日、八人の男がぼろきれのように惨殺される事件が起きたが、下手人は若い娘であった――。<br /> 男から女へ、肉体から肉体へ、まぐあいながら人にとりつき、殺めていく淫鬼。<br />道具の怨鬼まで甦らせた鬼の狙いはなにか。<br />そして、陰陽道に通じる加茂一族は淫鬼に対抗できるのか! 傑作歴史伝奇小説