仕事にも、妻の妊娠にも、どこか他人事のようにしかかかわれない僕。<br />僕はどんな子供時代を過ごし、どんな女たちとかかわってきたのか。<br />小学生の僕を怯えさせた音楽の清家先生、ストーカーまがいに追い求めた璃子、一度捨てたのに再び関係することになった昌、行きずりに知り合ったもうひとりの璃子、そして僕の骨を保管する女……。<br />女を苛立たせながら女が途切れることのない櫻田哲生の不穏にして幸福な生涯。<br />