多彩な渡り鳥が飛来する池のほとりで暮らす千亜子。<br />夫は老母の介護で実家に帰ったままだ。<br />子供たちも出て行った。<br />カラスのクロウと語り、林の生き物たちと交流し、牛飼い少女の物語の翻訳に打ち込む日々は、悪くはない。<br />人道という偽善に付き合うよりも、生物としての死に場所を探したいからだ。<br />美しくも激しい自然の中で、生と死に深い独自の眼差しを向けた新たなる感動小説。<br />