四方を中国山地に囲まれた、寂れた温泉町にかかる小さな石橋『かんかん橋』。<br />食堂『ののや』の一人娘真子は、毎日その橋を渡って学校に通っていた。<br />真子と父を残して出て行った母。<br />かつて白無垢をまとい嫁入りしてきた写真館の老婆。<br />町を去り愛する人とともに帰ってきた踊り子。<br />誰もが『かんかん橋』を渡る……。<br />小さな食堂を舞台に、精一杯生きる女たちのたくましさ、しなやかさを鮮やかに描き出した、人気作家の長編傑作!