鬱症状を訴えて精神科医を訪れた白水絹江は、福岡の老舗の商家の妻だった。<br />何度もカウンセリングがつづくうち、彼女は舅、姑、小姑に囲まれた息苦しい日常生活と、夫の異常な女性関係の悩みをうちあける。<br />――その後、絹江は離婚、夫は愛人宅で死亡した。<br />若い愛人れん子は殺人容疑で起訴された。<br />夫の首に残された索溝は何をもの語るのか? 三人の女たちの不幸な構図から生まれた、ひとつの殺意。<br />