医学的に脳死と診断されながら、月明かりの夜に限り、特殊な装置を使って言葉を話すことのできる少女・葉月。<br />生きることも死ぬこともできない、残酷すぎる運命に囚われた彼女が望んだのは、自らの臓器を、移植を必要としている人々に分け与えることだった――。<br />透明感あふれる筆致で生と死の狭間を描いた、ファンタジックな寓話ミステリ。<br />第22回横溝正史ミステリ大賞受賞作。<br />