真っ直ぐに生きる海の人たち――。<br />浜辺の町を舞台に、腕利きの漁師である父親と二人で暮らす少年健太郎と、都会からの転校生可南子、担任の若い教師紀子先生との交流を鮮やかに描く。<br />「海族」と名乗る灰谷氏が綴る浜っ子言葉は、軽やかであくまでも陽気である。<br />海に生きる人々が持つ根本的な明るさは、あらゆる苦しみを乗り越え、全ての人の心に育まれてゆく。<br />眩しい海の光が詰まった一冊。<br />