「ローマ法王が、秘密結社によって誘拐され、地下の回廊をへだてたサン・タンジュの城に監禁された」。<br />奇怪な風評を巡り、男たちが動き出す。<br />法王救出を理由に詐偽を働く百足組のプロトス、多額の遺産を手にしながら意味なき殺人を犯すラフカヂオ、キリスト教に改宗した科学者アンチム、作品の不評に強い不満を持つ作家ジュリユス。<br />人間の行為の底にひそむ偶然と必然の問題が明快に描き出される。<br />フランスのノーベル賞作家アンドレ・ジイド、1914年の作品。<br />