北海道から上京してフリーのアナウンサーとなった稲葉雪乃は奇妙な仕事を請け負った。<br />心身を患う義父のため、亡妻・千勢の代わりになってほしい――。<br />地図製作会社社長の葛木晋一郎に依頼され、駿河台の邸宅に通い始めた雪乃。<br />やがて、千勢が夏至の日に影の消える都市〈花蓮〉に憧れを抱いていたことを知る。<br />なぜ? 直後、雪乃の前に千勢の過去を知る謎の男・五十嵐が現れ……。<br />ベストセラー『モルヒネ』の著者が贈る恋愛長編。<br />