千四百年前、淡路島にたどりついた1本の流木を島人たちが火にくべたところ、得も言われぬ芳香が。<br />仏教とともに伝えられた「香文化」を知る聖徳太子は「香木」だとすぐに見抜いたといいます。<br />そして千年前、『源氏物語』の時代に人々は「香」で愛情を伝えました。<br />鎌倉時代の武家は香木を兜に焚きしめ、室町時代に香は「香道」という芸道になりました。<br />世界が賞賛する日本文化「香」の物語を、「香文化の伝道師」がわかりやすく綴る癒しのエッセイ。<br />