「歌のわかれ」「むらぎも」と並ぶ著者の主な自伝小説のひとつ。<br />孤独で、はにかみやで、非社交的な少年・良平を主人公に小学1年から中学1年までの若き日の自己をふりかえる。<br />福井の農村に過ごす少年の感受性、少年の行動を大人の思考を意識的に抑えてつづる。<br />それでいて鮮度を失わない日本文学の特異作。<br />