私はこの世で智恵子にめぐりあったため、彼女の純愛によって清浄にされ、以前の頽廃生活から救い出されることが出来た――。<br />この人の他に心を託すべき女性はいない。<br />そう思い定めた高村光太郎と智恵子の愛、生活苦、そして芸術活動と闘病。<br />24年間の結婚生活の果て、智恵子の死に打撃を受け、激しい空虚感に見舞われた光太郎。<br />自然とベートーベンとセザンヌを愛した一人の女性の苛烈な運命を余すところなく描いた名詩集、決定版!