太平洋戦争の敗色濃い日々、特攻基地で出撃を前に、国家を、天皇制を、恋人を、死を考える青年将校たち。<br />部落出身の身を秘し、死者の鎮魂を願って戦死者霊媒を業とする男、夫の出征後その部下との抱擁に孤独と不安を紛らす人妻……戦争、国家、階級など重要主題を追求しつつ‘死者の時’を生きる人々の姿を鮮やかに浮彫りした傑作。<br />その他「ガダルカナル戦詩集」を収録。<br />