江戸から3日を要する山間の村で、生まれて間もない庄屋の一人娘・遊が、雷雨の晩、何者かに掠われた。<br />手がかりのつかめぬまま、一家は失意の11年を過ごす。<br />遊の生存を信じる次兄・助次郎は、江戸で御三卿・清水家に中間として仕えるが、当主・斉道は心の病を抱えていた。<br />そしてついに、遊が15年ぶりに狼少女として帰還するが…。<br />運命の波に翻弄されながら、愛に身を裂き、凛として一途に生きた女性を描く、感動の時代長編!