侠客・清水次郎長一家に2人の「松吉」がいた。<br />一の子分、「森の石松」こと三州の松吉は美男で博打も喧嘩も強い兄貴分、いっぽう並外れた巨体で「豚松」と呼ばれた三保の松吉は女も博打も苦手な愛嬌者。<br />好対照ながら同じように親と別れ、一家に身を寄せた2人は互いに認め合う。<br />幕末の苛酷な運命が、2人と一家を待ち受けていた──。<br />初夏、青葉のころに吹く「青嵐」のように、東海道を駆け抜けた最後の侠客を描く、傑作時代長編!