「恋は御法度よ」会員制娼館のマダム塔子は言った。<br />娘と親友を亡くす不幸のどん底から、高級娼婦という仕事に行き着いた奈月(32)。<br />青山に佇むその旧い館には、白檀の香りと真に拮抗する男女の関係があった。<br />身体をぶつけ合い、生の実感を取り戻す奈月は、やがてマダム塔子の過去を知ることになる――。<br />怒りと悲しみに満ちた人生が交錯し、身体から再生していく日日を描いた全く新しい衝撃作。<br />