青ひげと鬼
その男は「青ひげ」と呼ばれた。
過去6人の妻たちは、みな死んでいた。
「妻殺し」の容疑で警察に調べられたこともあるが、犯罪の痕跡は発見できなかった。
しかし、全員が同じ状況で、同じ症状で亡くなっていた。
みな妊娠中毒症を起こしていたのだ――。
その男がホテルのバーで知り合った7人目の女は「あなたの子を産むわ」と言い放つと「青ひげ」の7人目の妻となった。
おれの子を孕むと死ぬ、という男の忠告もなんのその、しばらくして女は妊娠した。
女は次第に生活の主導権をにぎり、ある種の危険な兆候をみせはじめた……。
種の保存の本能の、新しい形が戦慄を呼ぶ表題作の他、全8編をおさめたSF短編集。
書き下ろし解説を収録。
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