風ふたたび
作者はみずみずしい文体を駆使してユーモアとペーソスに富んだ珠玉の掌篇をものとする文壇の鬼才。
これは、朝日新聞に小説執筆中急逝した林芙美子のあと起用され、構想三日にしてその任を全うしたいわくつきの新聞小説。
仙台から学会出席のため上京した大学教授に盗みの疑いがかかる。
教授は東京駅で倒れ、昔の教え子の下宿へ。
駆けつけた娘は、父親に盗みの疑いがあることを知り、被害者の元を訪ねる……。
「荒々しい風音の中で、あくまで明るい表情を捨てぬ数個の人物」は読者の胸に涼風を呼ぶ。
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