20年ぶりに再会した泰子に溺れれていく私は、同時に彼女の幼い息子の不信な目に怯えていた(「潜在光景」)。<br />借金苦で自殺した社長はなぜ80通もの遺書を残していたのか(「八十通の遺書」)。<br />わが子をさりげなく殺そうと気を配っている父親の言動。<br />しかし息子はそれを察知していた(「鬼畜」)。<br />日常のちょっとした躓きがその後の運命を大きく変えた、世にも怖ろしい6つの結末。<br />人間の闇に分け入った傑作短篇集。<br />