福永幸一は帰宅途中、美貌の女性・藤宮さやを暴漢から救った。<br />衰弱していたさやを福永は自宅で看護する。<br />やがてひかれあい、結ばれるふたり。<br />だが翌朝、さやは福永の許から消えた。<br />童謡詩人・金子みすゞの詩集から切り取った一片の詩と置き手紙を残して――。<br />数年後、金子みすゞの本を持っていた少女の母親が殺される。<br />本の中には福永の名前が書かれた紙片が……。<br />警視庁捜査一課・棟居弘一良(こういちろう)は再び人間の宿業と対峙する!