天下を揺がす仇討に、思いがけずも与することになったのは、柳生道場一の剣客・荒木又右衛門であった。<br />旗本一統の庇護のもと必死で逃走する敵を、知略の限りを尽くして追う又右衛門。<br />幕閣、外様大名、旗本の思惑に翻弄される両者の運命は、ついに伊賀上野で交錯する。<br />世に名高い「鍵屋ノ辻」の仇討である。<br />壮絶な死闘六時間、白刃とともに討つ者と討たれる者の「義」が激突する。<br />